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設立宣言


「ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議」

設立宣言

 ダイオキシン・環境ホルモン(内分泌撹乱化学物質)等の化学物質汚染が、人類を含む地球上のあらゆる生物の種の、存続の危機を招いています。これらの汚染物質は、さまざまなガンを引き起こしたり、内分泌攪乱作用を通じて、人間や生物の生殖機能に重大な影響を及ぼしています。さらにこれらの汚染物質は、胎盤や母乳を通じて子どもに移行し、その生命や生殖能力を奪いつつあります。地球規模で、世代を超えて、汚染が広がっているのです。
 このような汚染は、大量生産・大量消費・大量廃棄、利便性のあくなき追求、化学物質過剰依存といった、産業社会のライフスタイルが生み出したものです。私たち人間は、安全性への配慮を欠いたままに、約10万種にものぼる化学物質をつくり出し、地球上に放出してきました。その結果が、今日の危機を招いているのです。
 このようなライフスタイルを抜本的に見直して危機を回避し、かけがえのない地球を守ることは、現代に生きるわれわれの責務です。もはや一刻の猶予も許されません。直ちに有効な対策を実行しなければなりません。その意味で、ダイオキシン・環境ホルモン問題の解決は、今、最優先の政治的・社会的課題なのです。
 にもかかわらず、わが国の立法や行政の対応は著しく立ち遅れています。しかし、それを批判だけしていても、危機が避けられるわけではありません。今こそ、一人一人の国民が、主権者として、立ち上がり、立法や行政を動かす時なのです。
 そのためには、わかりやすい情報提供や、政策提言を行うことが必要です。そのような政策提言は、決して一専家集団だけでできるものではありません。なぜなら、危機は複雑で、多面的な対策を総合的に講じる必要があるからです。真に有効な政策提言を行うには、さまざまな領域の専門家、市民、市民団体、政党、労働組合、産業界に至るまで、あらゆる領域の人々がそれぞれの立場や利害を超えて結集し、知恵を出し合うことが求められているのです。
 その要請に応えるべく、本日、ここに「ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議」が設立されました。私たちは、今後、調査研究体制の整備、母乳問題を含むダイオキシン緊急対策の早期実施、化学物質政策の抜本的見直し、廃棄物法制の総合的整備等について、幅広い政策提言を行い、ダイオキシン・環境ホルモン汚染の抜本的な解決を目指します。
 以上の諸課題に向けて、私たちは、あらゆる努力を惜しまず、全力を挙げて取り組むことを、ここに宣言します。

1998年9月19日