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PFASピーファス(有機フッ素化合物)汚染 – 環境と人体を蝕む「永遠の化学物質」の規制に向けて

どこで使われているの?—便利さと危険性はとなり合わせ

PFASには水と油をはじく性質があるため、私たちが日常的に使用する様々な生活用品に使われています。防水スプレー、フライパンや鍋の焦げつき防止のためのフッ素樹脂*1加工、ハンバーガーやピザなどのファストフード用の油をはじく容器包装、洋服や家具やカーペットの防水防汚処理、デンタルフロス、ファンデーションなどの化粧品、スキー板のワックス、メガネの曇り止め剤、スマホ画面のコーティングなどに使用されています。
ファストフードの容器包装からPFASが溶出することが知られており、米国の疫学調査では、ハンバーガーなどのファストフード食品、PFASを使ったデンタルフロスなどの利用頻度が高い人に血液中のPFAS濃度の上昇が見られます。
生活用品以外での主要な用途としては、空港や石油コンビナート、軍事基地、大規模駐車場などで使われる泡消火剤です。火災消火や漏出事故などにより放出された泡消火剤に含まれるPFASは、長期にわたり土壌や地下水を汚染し続けています。また工業用にも半導体製造や、金属加工、金属メッキ、さまざまな工業的研磨剤、表面処理剤などにも多く使われ、それら工場周辺の土壌や河川・地下水を汚染しています。
消火剤や工場排水などに含まれるPFASは、一部下水処理場の汚泥に蓄積するため、汚泥を使ったたい肥が野菜や果物を汚染することになります。また近年、有機フッ素系農薬も多種類開発・使用されており、食品への残留が懸念されます。
このように、私たちは直接的にはPFASを含む製品から、間接的には環境中のPFASに汚染された水や食品を介して、PFASを体内に取り込んでいます。

*1 フッ素樹脂は、フッ素と炭素を含む合成樹脂(プラスチックの一種のPFAS)で、耐熱性、防水性などから多用されている。PFOAは、フッ素樹脂の製造過程で使用され、残留して溶出することもあるので、フッ素樹脂を使った製品はできるだけ避けましょう。