メニュー 閉じる

子ども環境保健対策に関する提言

〈フタル酸化合物についての含有規制導入の意見書提出〉

〈「子ども環境保健法」の立法提言〉

  • 1997年、「子どもの環境保健に関するマイアミ宣言」がG8の環境大臣会合で採択され、胎児・子どもは特に有害化学物質に対して脆弱であることから、胎児・子どもの健康を守るために、内分泌かく乱化学物質を含め環境中の有害化学物質の子どもへのばく露を削減すること等が勧告されました。日本には環境中の有害化学物質による胎児・子どもへの悪影響を未然に防止する法律がないことから、JEPAでは、2003年6月、胎児・子どもの発達・健康に悪影響を及ぼすおそれのある化学物質への規制と、子どもの日常的な生活環境空間における有害化学物質の削減を柱とする子ども環境保健法」の立法提言を作成し、厚労大臣、環境大臣宛に提出しました。
    ニュースレターNo.24「子ども環境保健法(仮称)の立法提言を提出」
  • 2006年2月、アメリカで鉛製アクセサリーを誤飲した4歳の子どもが死亡するという事故が発生しました。日本では、鉛を含有するアクセサリーや玩具への法規制がなく、同様の事故の発生が懸念されました。また、鉛は、子どもの脳の発達に影響を及ぼすことが明らかになり、世界的に規制強化が進められつつありました。そこで、JEPAでは、200655月、アクセサリー・玩具のみならず、鉛を含有する主要製品についての規制強化・代替化を求める「鉛のリスク削減に関する提言」を取りまとめ、厚労大臣、環境大臣宛に提出し、関係省庁の担当者と意見交換を行いました。その結果、現行の縦割り行政の下での化学物質管理についての総合的取り組みの欠如が浮き彫りになり、日本の化学物質管理制度には重大な欠陥があることを認識するに至りました。
    ニュースレターNo.41「鉛のリスク削減に関する提言」

〈国際セミナー等の開催〉

・子供環境保健問題については、以下のような子ども国際セミナー等を開催し、周知啓発に努めました.

  • 子どもプロジェクト連続学習会(4回)
    1. 2006年5月27日:
      「子どもに何がおこっているのか?」
      講師:滝井宏臣氏、水野玲子氏
      ニュースレターNo.41
    2. 2006年6月25日:
      「子どものアレルギーが増えている!」
      講師:角田和彦氏 赤城智美氏
      ニュースレターNo.42
    3. 2006年7月1日:
      「化学物質過敏症から子どもを守れ!」
      講師:古川俊治氏(医師・弁護士)、青山和子氏
      ニュースレターNo.42
    4. 2006年10月22日:
      「子どもの『脳の発達障害』と向き合おう~LD,ADHD,高機能障害~」
      講師:黒田洋一郎氏(脳科学研究者)、新堀和子氏(全国LD親の会)
      ニュースレターNo.44
  • 国際シンポジウム「子どもの環境と健康」
     2008年9月27日開催
      ・「へその緒が語る体内汚染」
       講師:森千里氏(千葉大学大学院教授・医師)
      ・「身近な化学製品、家庭用品等による子どもへの影響」
       講師:鹿庭 正昭氏(国立医薬品食品衛生研究所室長)
      ・「科学は環境/健康問題を解決できるか~病気のない社会への新たな可能性」
       講師:ジョン・ピーターソン・マイヤーズ氏(奪われし未来」共著者
      ・「暮らしの中の汚染は10年でこんなにも減った~ 米国環境NGO”EWG”の取組」
       講師:スーザン・コンホート氏(EWG)
      ニュースレターNo.54
  • 重金属問題連続セミナー(4回)
    1. 2008年3月29日:
      鉛含有のレジ袋など鉛をめぐる問題
      [講師:酒井伸一氏(京都大学)]
      ニュースレターNo.51
    2. 2008年4月20日:
      水銀汚染の現状と水銀をめぐる内外の動き
      [講師:豊田晶子(国環研)、瀬川恵子氏(環境省)]
      ニュースレターNo.52
    3. 2008年5月31日:
      重金属の子どもの発達への影響と毛髪分析
      [講師:大森隆史氏(医師)]
      ニュースレターNo.52
    4. 2008年6月28日:
      母子毛髪検査結果の分析
      [講師:森脇嬉子氏(JEPA食品PT座長)]
      ニュースレターNo.53
  • シンポジウム「未来世代の子どもたちを守るために」
    • 2008年11月6日開催
      「ビズフェノールA(BPA)の大脳皮質形成への影響」
      (講師:伏木信次氏(京都府立大))
      ニュースレターNo.55

〈これらの提言後の動き〉

  •  厚生省は、2002年8月、食品衛生法の下で、器具・容器包装・おもちゃについて、DEHPとDBPの2種のフタル酸化合物の規制を実施しました。
     その後、2010年9月には、おもちゃについて、DEHP、DBPに加えて、新たにBBP、DIDP、DINP、DNOPも規制対象とし、EUと同じ6種のフタル酸化合物が規制対象物質となりました。
     しかし、ビスフェノール類やアジピン酸化合物に対する規制は不十分な状態です。
  •  環境省では、2006年の「小児の環境保健に関する懇談会」の提言を受けて、2008年に「子どもの健康と環境に関する検討会」が設置され、2011年からは「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」がスタートしました(2027年までを予定)。
     2022年には、同調査を子どもが40歳に達するまで延長することが決定されています。