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1月28日 イタリアヴェネト州のPFAS汚染の国際セミナーのご案内

世界各地でPFAS汚染が深刻化する中、イタリア北部のヴェネト州はその対策と健康影響調査で世界的に注目されている地域です。2013年、PFOAを長年使用してきた化学工場(Miteni社)を発生源とする広域の水道水汚染が発覚しました。その後、州政府、大学、住民組織が協力し、約26万人を対象とする世界最大規模の血液検査と、長期にわたる疫学調査が進められてきました。
これらの調査により、血中PFAS濃度が高い住民ほど、コレステロール値が上昇していること、さらに 心疾患および特定のがんによる死亡率が地域平均より高いことが明らかになっています。
日本でも各地でPFAS汚染が確認されていますが、住民の健康影響評価は十分に進んでいません。イタリア・ヴェネト州の経験は、日本でPFAS汚染の実態を解明するうえでも重要な示唆を与える事例です。ぜひご参加ください。

講師:クリスティーナ・カノーヴァ博士 Dr. Cristina Canova
パドヴァ大学(イタリア)准教授(医療統計学および環境疫学)
イタリア・ヴェネト州が資金提供した主要な疫学研究の主任研究者を務め、高濃度曝露地域住民および労働者における体内PFAS曝露と心代謝・内分泌・肝臓・生殖バイオマーカーとの関連性を調査した

日時:1月28日(水) 18:00 開始 20:00 終了
参加費:無料
逐次通訳付き
オンラインでの開催
参加申込:下記URLよりご登録下さい
https://x.gd/5gtp0

<イタリア・ヴェネト州のPFAS汚染>
 1960年代からPFOAなどのPFASを製造していた化学工場(Miteni社)からの排水により、広域の水道水源が汚染されていたことが、2013年に公的調査で明らかになりました。これを受けてヴェネト州政府は大規模な汚染対策を開始し、その柱として住民の血液検査と健康影響調査を継続して実施しています。
2020年には、対象住民16,224人のデータ解析により、血中PFAS濃度が高いほどコレステロール値が上昇することが確認されました。また2024年に発表された疫学研究では、汚染地域の住民では、がん(特に腎臓がん・精巣がんなど)および心疾患による死亡率が地域平均より高いことが報告されています。
Miteni社は1988年から2009年まで三菱商事が主要株主として関与しており、この問題をめぐる刑事裁判は現在もイタリアで続いています。2025年6月には、元三菱商事社員を含む複数の関係者に対して、有罪判決(拘禁刑を含む)が言い渡されています。

このセミナーのチラシはこちら

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