代替品や熱回収より「総量削減・リユース」を
減プラスチック社会を実現するNGOネットワークのメンバー及び賛同20団体は、9月1日に政府より示された「今後のプラスチック資源循環施策の 基本的方向性(「基本的方向性」)について、本日、笹川環境副大臣に対し、深刻なプラスチック汚染を確実に解決できるような指針としていくよう求める、小泉環境大臣、及び、笹川環境副大臣宛ての共同提言書を提出しました。今後速やかに、経済産業省等の関係省庁や各主要政党にも提出する予定です。
日本で発生する廃プラスチックの47%が、ほぼ使い捨て用途の容器包装である中、容器包装を中心にプラスチック製品の生産総量を大幅に削減(リデュース)することと、そのための社会システムの構築が、喫緊の課題です。しかし、基本的方向性では、「リデュースの徹底」といった言葉は使われているものの、実質的には、代替品利用とリサイクルの推進、そして 熱回収が解決案の中心となっています。
プラスチックの大量生産と熱回収を含む焼却処理では、地球温暖化を加速させるCO2を発生させます。また、紙製やバイオマス素材の代替品の使用を廃プラスチックのリデュース施策と位置付けてしまうと、代替品が過剰生産され、原材料栽培地への転換による原生林の伐採など、新たな環境問題を発生させる可能性があります。さらに、リサイクルは素材の品質や機能の 低下を伴うものがほとんどであり、現状では資源として循環していません*。
今後世界で4倍にまで増えると予想されるプラスチック生産の増加を放置したまま、熱回収や代替品の使用を 推進していくのでは、深刻化するプラスチック汚染の解決策とはなり得ません。加えて漁業 活動等、海域で使用するプラスチックの問題への更なる対応や、拘束力のある国際的な解決の枠組みを早急に発足させることも重要です。
そこで、減プラスチック社会を実現するNGOネットワークのメンバー及び 賛同20団体は、以下の内容を「基本的方向性」に取り入れることを求めます。
- 総量を削減するための実効性のある政策の早期導入
- 容器包装分野における、リユースを基本とした仕組みの導入
- 拡大生産者責任制度の確立
- 代替品の位置づけ見直しと、持続可能性の確保
- 漁具等、海域で使用するプラスチックの管理施策の促進
- 法的拘束力のある国際協定締結の推進
以上
減プラスチック社会を実現するNGOネットワーク
メンバー団体 (五十音順)
- 特定非営利活動法人 OWS
- 国際環境NGO グリーンピース・ジャパン
- さがみはら環境問題研究会
- 一般社団法人 JEAN
- 公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)
- 全国川ごみネットワーク
- 特定非営利活動法人 ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議
- 公益財団法人 日本自然保護協会
- 公益財団法人 日本野鳥の会
- 特定非営利活動法人 パートナーシップオフィス
- 特定非営利活動法人 プラスチックフリージャパン
- 容器包装の3Rを進める全国ネットワーク
賛同団体 (五十音順)
- 特定非営利活動法人 アーキペラゴ
- 小山の環境を考える市民の会
- 環境問題を考える会
- とくしま自然観察の会
- Hamaumi-浜松の海を守る会
- ふるさと清掃運動会
- 特定非営利活動法人 プロジェクト保津川
- 山梨マイクロプラスチック削減プロジェクト