- 日時 2015年7月26日(日)午後3時~4時50分
- 講師 菅野純氏(国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター・毒性部部長)
環境ホルモンが持つ新しい毒性メカニズムが、その後の17年間の研究で解明が進んできました。
近年問題とされている、ネオニコチノイド系をはじめとする農薬によるミツバチの帰巣本能のかく乱や、子どもの脳の発達への影響も、共通するメカニズムによるものだと考えられます。
ポイントとなる概念は「シグナル毒性」。体内の各組織の細胞は、各種のホルモンや神経伝達物質と結合する受容体というたんぱく質を持ち、細胞同士で相互に情報(シグナル)伝達を行っています。
環境ホルモンもネオニコ系農薬も、体内の細胞同士のシグナル伝達をかく乱することで毒性を発揮します。
そのため従来の毒性試験を元に設定された安全基準値を下回る、微量なばく露によっても悪影響を及ぼす場合があるのです。
日本における環境ホルモン研究の第一人者である、国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター・毒性部部長の菅野純先生にご講演いただきました。
● 講演資料
細胞をだますシグナル毒性とは細胞や組織をかく乱する「シグナル毒性」とは
● 報告記事はこちら