日本は、深刻な水俣病をもたらした水銀汚染のことを忘れてしまったのでしょうか? 国内では、一部の学校給食に出されるクジラから高濃度の水銀が見つかっています。厚生労働省は、クジラやイルカのほか、マグロやキンメダイなども水銀を多く含んでいることから、とくに妊婦については摂食への注意を促しています。 その一方で、日本から海外に輸出される水銀量が急増。06年には過去20年間で最高を記録しました。 日本など先進国から排出された水銀やカドミウム、鉛などの有害金属類は、クジラや極地のアザラシ、イヌイットの人たちの体内汚染をもたらし、地球規模での広がりをみせています。
そうした有害金属類の汚染対策について、ようやく国際的な取り組みが始まっています。国際連合環境計画(UNEP)は、対策強化を検討するワーキンググループを組織。2009年の理事会へ報告予定です。日本でも環境省が、平成18年度から有害金属対策策定基礎調査専門検討会を設置しました。 今回2回目のセミナーでは、検討会の委員をされている国立環境研究所の貴田晶子さんと、環境省の瀬川惠子さんをお招きして、日本と海外での有害重金属汚染対策の最新動向についてお話いただきました。
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