ストックホルム条約の規制対象物質である有機フッ素化合物のPFOS、PFOAについては、2020年4月1日から水道水質基準の水質管理目標設定項目の暫定目標値としてPFOS+PFOAで50ng/Lと定められ、同年5月28日には水質汚濁に係る環境基準でも人の健康の保護に関する要監視項目の暫定指針値として同じ数値に設定されました。
東京都の多摩地域では上記の基準値を超過する地下水汚染が報告されています。この地域では、昨年度末に地下水の水道水源としての利用が停止されていますが、それまでずっと地下水を水道水として使用していましたので、住民の中には長期間にわたって汚染水を飲み続けていた方も少なくなく、その体内への蓄積度や健康影響が懸念されます。
そこで、当会議では、今般、中地重晴熊本学園大教授らの協力の下、特に汚染がひどかった府中市府中武蔵台浄水所と国分寺市東恋ヶ窪浄水所の2ヶ所に注目し、その給水地域の住民各11名ずつ合計22名の血液検査を実施しました。その結果、当該住民のPFOS血中濃度は国民の平均値の1.5~2倍高いレベルにあることが判明しました。
これを受けて、当会議では、下記の提言をとりまとめ、11月11日東京都知事に提出しました。
提言
- 広く多摩地域の住民に対する大規模なPFOS、PFOAを含む有機フッ素化合物の血中濃度検査及び健康調査をすみやかに実施すること。また、妊婦・子どもが安価な費用で血液検査を受けられる体制を創設すること。
- 汚染された地下水の飲用中止を徹底すること
- 汚染原因の調査と汚染の浄化に取り組むこと